コラム

インプラント治療に対しての批判の今と昔

2016年7月26日

一枚のレントゲン写真から見えてくるもの

林歯科医院がインプラント治療を取り入れてから30年以上が経ちました。
当時は四谷のみならず日本国内でも認知度の低い治療法でした。

先日、歯科の業界紙に気になる投稿がありました。数種類のインプラントが埋入(植えこむ事)された患者さんのレントゲン写真が載っていて、その前主治医に対して「無計画にインプラントのメーカーをころころ変える無責任な歯科医師」というような批判的なコメントが書いてありました。

 

私の意見はその投稿者の真逆です。レントゲン写真には確かに3種類のインプラントが埋入されています。そのうちの2種類は形が全く違いますが同一のメーカーのもので世界的に有名な歴史のあるインプラントです。おそらく20数年以上前に埋入され、その数年後、他の部位に同社製の改良型のものを埋入したものと思われます。その後、上顎に3種類目のインプラントが埋入されています。この製品も世界規模で実績のあるメーカーの初期型で、より強固に骨と結合するようにインプラントの表面の材質を工夫した画期的なものです。(一長一短があります)

 

これが日本で発売された時期は前の2種類目のインプラントのすぐ後ですから前主治医は当時まだ難しかった脆弱な骨の部位のインプラント治療にこれを選択したのだと思います。決して無責任にインプラントのメーカーを変えているのではなくて、きちんとしたメーカーの製品を症例によって使い分けていたのだと思います。この患者さんは認知症が始まって遠方の前医に行けなくなり御家族が検診の為にこの後医に連れて行ったようです。インプラントの被せ物も昔流ですが清掃しやすい形に作ってあり、介護の方もブラッシングがしやすいと思います。事実、そのインプラントは20年かそれ以上、その患者さんのお口の中で機能しているわけです。

 

インプラント治療を導入している歯科医師ならば上記の患者さんに使用されている世界でも代表的なインプラントの種類や改良による形態の変更位知っていて当然だと思います。逆にその程度の知識で前主治医の批判を業界紙に投稿する事に疑問を感じました。また、この内容の投稿を載せてしまう業界紙の質も疑ってしまいます。これからインプラント治療を勉強しようとしている歯科医師達が間違った知識を得ない事を願います。