コラム

歯ぎしり・くいしばり

2014年6月18日

「歯がしみる」「歯が欠けた」と来院される方が多くいらっしゃいます。その原因は様々ですが、大きな要因の1つに「歯に加わる異常な力=歯ぎしり・くいしばり」が考えられます。

 

人生のつらい時期や仕事に追われたとき、私達はそのストレスを発散するために無意識に歯ぎしりやくいしばりをしています。ギリギリと音がするものやグッと噛み込むものと種類は様々ですが、上下の歯と歯が触れ合っているだけでそこには数10㎏〜数100㎏という力が加わっています。その異常な力によって歯が摩耗しエナメル質にヒビが入り剥がれ落ち、楔形に欠けてしまうことでしみやすく虫歯にもなりやすくなります。さらに被せ物が壊れたり歯根が割れて抜歯になる場合もあります。

 

「力」によるトラブルは、その過剰な力を減らさない限りどんな丈夫な治療も対処療法にすぎず、根本的な解決は望めません。100㎏以上ともいわれるこの力で連日ギリギリと揺さぶられては健康な歯だって耐えられません。歯科医師による治療だけでは歯を守ることはできないのです。

 

現代のストレス社会のなか、歯ぎしりやくいしばりは誰もがしていると思ってよいでしょう。しかし歯ぎしりやくいしばりは無意識に行われているため、ほとんどの患者さんは自分がしているという自覚がありません。したがって歯ぎしりやくいしばりの一番の対処方法は、まず「歯ぎしりやくいしばりがいかに大きな問題なのかを自覚して頂き、ご自分の無意識のクセに気づき、力をご自分でコントロールすること」 です。具体的な方法は「職場のデスク周りや家の色々な場所に「歯と歯と離そう」「力を抜いて」などと書いた付箋を貼り、それが目についたら意識的に歯の力を抜くこと」です。意識的にリラックスし力を抜くクセをつけること、これが歯ぎしりくいしばりを減らす一番の方法なのです。

 

歯ぎしりやくいしばりは夜中だけではありません。日中時間に追われて急いでいる時、何かに集中している時、グッと噛み込んでることはありませんか?日中の力のコントロールができるようになると、就寝中の歯ぎしりやくいしばりも減らすことができます。それでも重度の歯ぎしりやくいしばりのある方は夜間就寝中に歯に加わる力を分散させるマウスピースを装着していただくこともありますので、ご相談ください。