コラム

総入れ歯と日本蕎麦

2017年6月12日

総入れ歯と日本蕎麦

 
近所の歯科医院で作った入れ歯が合わなくて困っているとの事で来院された患者さんがいらっしゃいました。
お話を伺うとしゃべりにくい、物が噛めない、味がしないと言った不満の最後におっしゃった言葉が印象的でした。
 
「蕎麦が美味くない」
 
お口の中を拝見すると確かに上顎は総入れ歯、下顎は部分入れ歯が入っていてその他の歯も丁寧な治療がされていたことがうかがえました。
総入れ歯というものは独特の噛み方が必要で、部分入れ歯から移行した場合は慣れるまでに時間がかかります。
初めのうちは上手く物が噛めませんし、大きな入れ歯になりますからその異物感で食事の味どころではないでしょう。
発音もしにくいと思います。
調整をしながら慣らしていけば食べ物をすりつぶせるようになるので味もわかりやすくなると思いますし発音も慣れてくることと思います。
 
ただし蕎麦好きの私はこの患者さんが「蕎麦が美味くない」とおっしゃったことが気になりました。
上顎の総入れ歯は口蓋(上顎の天井部分)を喉の近くまで覆います。
しかも健康保険適応の材質だと厚さもあります。
結局この患者さんは上顎に4本のインプラントを植えて入れ歯との連結装置を取り付けました。
総入れ歯は口蓋部分をくり抜いた馬蹄形のものになり、それを連結装置にパチンッ、と装着します。
下顎の部分入れ歯はインプラントを植えて固定式の人工歯を取り付けました。
蕎麦の喉越し復活です。
しかも蛸や鮑のお刺身も茄子の漬物も大丈夫です。
 
自宅近くに日本蕎麦屋が開店したので早速行き、職業病だなあ、と思いつつ上記の事を考えながらざる蕎麦を飲み込み、かけ蕎麦もすすりました。
この温度差は知覚過敏があったら無理だなと思ったので、それについてはまたの機会にします。